代表的な六つの香りについて

コラム

香りは人間の感情や記憶と密接に結びついている」と述べた。

それはもっと具体的に、香りにはどんな種類があり、それが私たちに、

どのような影響を与えるのかを見ていこう。

 

ある種類の香りには。

心身をリラックスさせたり、逆に気分を高揚させる効果があるといわれている。

あるいは集中力を高めたり、安眠を誘う、

記憶力を高めるといった効果もあるようだ。

 

ただし、人それぞれで香りの印象が異なるように、

その影響や効果はすべての人に当てはまるわけではない事に注意してほしい。

代表的な六つの香りについて解説していこう。

代表的な六つの香り

●シトラス(柑橘類)系の香りとその効果

レモンやライムに代表される、さわやかですっきりとした爽快感のある香り。オレンジやマンダリン、クレメンタイン、グレープフルーツなどの柑橘類のぱりっとした香りが立ちあがるので、気分が引き締まる感じがするものだ。アールグレイティーに香りを付けるベルガモットもシトラス系独自のフレッシュな香りを持ち、香水のオーデコロンなどでも使用されている。明るく、高揚感のある香りは、生活や仕事の合間に、ちょっと刺激がほしい時に最適の香りといえるだろう。覚醒作用に近いものがあるのか、オフィス内でシトラス系の香りをほんのり漂わせると、仕事の効率が上がるともいわれている。

 

●フローラル(花)系の香りとその効果

バラやジャスミン、ラベンダー、フリージアなどに代表される、自然の花の香り。甘く、陽気で、優美な感じがするため、特に女性に人気の高い香りである。ひと口に花の香りといっても、いろいろな種類がある。例えば、バラの香りには甘く華やかだし、フリージアはもう少し爽やかな甘さを感じさせる。またカモミールはフルーティーなやさしい香りで、少しリンゴに似た感じがするだろう。ラベンダーの甘い香りには眠気を誘う効果、ストレスを和らげるリラックス効果があるといわれている。イライラしたり、緊張している時には、心を落ち着かせる鎮静効果をもつようだ。一方でフレッシュでクールな香りがするローズマリーには、頭をすっきりさせて、集中力を高める効果があるようだ。また記憶力を高めるともいわれている。

 

●グリーン、森林系の香りとその効果

緑の草原や森林など、さわやかで爽快感のある自然をイメージさせる香り。みずみずしく、青々とした若草や、草原をわたる風を感じさせる香りである。深呼吸をしたくなるような香りといえよう。この清涼感、清潔感のある香りは、心に安らぎを感じさせる効果がある。例えば休みの日など、静かに読書をしたり、音楽を聴いたりする時にはぴったりくる香りではないだろうか。気分を落ち着かせるので、オフィスなどでもよく流される香りの一つである。また安眠を促す効果もあるようだ。

 

●フルーツ系の香りとその効果

イチゴ、桃、りんご、アプリコットなど、柑橘類以外の果実の、フレッシュで甘酸っぱい香り。これらの香りには、気分を明るくしたり、癒しの効果があるといわれている。フローラル系と並んで若い女性に人気の高い香りである。

 

●オゾニック(大気)系の香りとその効果

澄んだ大気、新鮮な空気をイメージさせる香り。清らかに流れる小川のせせらぎをわたる風、郊外の田舎にそよぐ爽やかな風、といった感じだろうか。みずみずしく、透明感のあるクールな香りである。開放感を伴うため、例えばホテルの客室などの狭いスペースでこの香りを流せばくつろいだ気分が得られるだろう。このオゾン系の香りは合成香料の技術が発達してから登場した、比較的新しい香りである。

 

●グルマン(食べ物)系の香りとその効果

美食家を表す「グルメ」という言葉があるが、まさにグルマン系とは食べ物、特にお菓子から漂ってくるような香りをさす。ミルクやバニラ、あるいはチョコレート、キャラメル、クッキーなどの甘くて愛らしい香りがこれに当たる。バニラやチョコの香りは子供の頃に好きだった食べ物の香りに繋がるので、懐かしさや親しみを感じる人も多いだろう。家庭的なイメージ、温かく、居心地の良さを感じさせる香りといえよう。また、食べ物を連想させるので、満腹感をもたらすことから、ダイエット効果があるという人もいるようだ。もっとも食べ物は人によっては好き嫌いが分かれるものだから、ある種の食べ物の香りが、他の人にとってはあまり好ましく感じられないこともあるだろう。

 

以上に取り上げたのは、香水や石鹸、室内香料などフレグランス(芳香製品)で主に使われている香りである。もちろん香りにはこれらのほかにもたくさんの種類がある。香辛料のスパイシーな香りや、インドのお香などの香りは、神秘的でエキゾチックなイメージをもたらすオリエンタル系の香りといえるだろう。いずれにしても、香りが私たちに生理的、心理的な影響を与え、種類によってその効果が様々である事は確かである。

シンプルに考えても、イヤなニオイが人を不快にさせるのは当たり前のことだ。

それが商品やサービスを提供する場所に漂っていれば客足が遠のくのは当然である。

 

反対に一歩足を踏み入れた瞬間に、

心地よい香りが漂ってきたとしたら誰でも気分が良くなるものだ。

 

香りマーケティングは顧客に快適な環境を提供し好印象を与えようという手法である。

あるいは、スーパーの成果売り場で買い物をしている最中に、

ふと、りんごの甘い香りが漂っていることに気付き

リンゴの山へ近づいて衝動的にひと山買ってしまったという経験が、

あなたにもあるのではないだろうか。

香りマーケティングで期待できる効果

香りマーケティングは顧客の購買行動に影響を与える可能性があり、一般的に、香りマーケティングでは次のような効果が期待されている。

 

●顧客の購買行動を促進させる。

●店舗内などで顧客の滞留時間を長くさせる。

●顧客にブランドなど特定のイメージを記憶させ、親しませる。

●商品やサービスのイメージアップはかり、宣伝効果を高める。

●競合する企業や店との差別化をはかる

 

臭覚が五感のうちで最も強く

人間の記憶や感情に訴えかける感覚であるからそこ、

香りマーケティングが従来なかった効果を上げる可能性を秘めているのです。

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