香りが脳に影響を与え刺激する?

コラム

香りと一言で言っても人それぞれ思い浮かべるものは多種多様で、
私たちが思い浮かべる香りには、甘い香り、酸っぱい香り、しょっぱい香り、
あかるい香り、華やかな香り、みずみずし香り、
あるいは和畳の香り、夕立の後の香りなど様々な香りがあります。

 

これらの香りは単体で成り立っているものではなく、
いくつもの条件が揃ったうえで連想する、
いわば【香りマジック】なのです。

 

香りマジックとは?

デュフューザーから出る香りがいくつもの種類からできていると言われても、
すぐに理解出来る人は少ないのではないでしょうか?

 

なぜなら本来ヒノキはヒノキから、
ミントはミントから自然に香るものだからでしょう。

 

そのために1つ例をご紹介致します。

 

●香りが出来るまでのしくみ

まず「レモンの香り」をイメージしてみましょう。
酸味を伴ったフレッシュでさわやかな、すがすがしい香り。
これは「レモンの香り」というものが単一で存在するのではなく、
いくつかの香りの物質(成分)が「レモンの香り」を形作っているのです。

 

これはカレーのルーが各種のスパイスを調合して
一つのカレールーとなっていることを考えれば分かりやすいのではないでしょうか?

 

このスパイスの調合を変える事で少しずつ味わいの異なる
カレールーが出来るように、同じ柑橘類であるオレンジは、
レモンをほぼ同じような香りの成分から成り立っていながら、
そのバランスがわずかに違うために、あの甘酸っぱい独自の香りとなっています。

 

甘く、華やかやバラの香りも同様に、
ゲラニオール、ネロール、リナロール、シトロネロールといった
バラの花びらに含まれる数百種類もの香り成分からできています。

 

こうした香り成分は数十万種類もあるといわれていますが
私たち人間が嗅ぎ分けられる香りはわずか数千種類だけしかありません。

自然界にある一つの花や果実などの香りだけでも、
数十種類~数百種類の香りの成分から構成されているのです。

 

人間の五感の一つ「臭覚」とは何か

ところで皆さんには、ふっと漂ってきたある種の香りをかいだ瞬間に、
急にお腹がすいてきたり、懐かしさが込み上がったり、
緊張してイライラしてきた、という経験はありませんか?

 

実は香りには、私たちの理性ではコントロールできない、
感情の喚起や記憶の覚醒を促す特性があります

 

香りを感じる「臭覚」は人間が備える感覚機能の一つで、
感覚には他に、視覚、聴覚、触角、味覚があり、
この五つを総称して「五感」といいます。

 

臭覚は鼻を通じて感じる感覚ですが、
実はこの臭覚の仕組みや特性については、
他の感覚に比べて研究が遅れていた分野でした。

 

動物が匂いを認識し、
記憶するメカニズムを解明した2人の米国科学者に対して、
ノーベル生理医学賞が与えられたのは2004年度のこと。

 

この研究の内容は「臭覚受容体遺伝子と臭覚システムの発見」であり、
「最も謎に包まれた人間の感覚」を解明した事が高く評価されたものでした。

 

香りの物質が鼻に入り、脳に伝わって感知、認識される仕組みが、
つい最近になってようやく明らかにされたというのは、
ある意味驚きですね。

 

つまり
臭覚は人間の五感のうちでも最も原始的、本能的な感覚であり、
人間の生存にストレートに結びついている大切な感覚

なのです。

 

その事を理解していただくために、大まかに臭覚の仕組みについて説明しましょう。

臭覚の仕組みについて

空気中に漂う香りの物質は、まず鼻腔内にある嗅上皮の粘膜にキャッチされ、
嗅細胞に受容されて刺激を与えます。

 

ここで香りの物質という「化学的な信号」は
「電気的な信号」に変換され、
嗅神経を経て、脳の大脳辺縁系に達します。

 

人間の脳は、脳幹、小脳、大脳辺縁系、
大脳新皮質と大きく四つの部位からなり、

このうち大脳新皮質は人間の進化の過程で
新しく発達した「新しい皮質」であり、

思考や理性などを司っている
「人間らしく考える脳」ということができます。

 

一方で、
人間が進化する前の性質(動物として生きのびていくために必要な性質)である食欲、
性欲といった本能的な行動、あるいは喜びや悲しみなどの情動、
記憶などを支配しているのが「古い皮質」すなわち大脳辺縁系です。

 

これは味覚、触角も同様である。ところが臭覚の情報だけは、
嗅神経から直接、大脳辺縁系へと伝達されます

 

つまり大脳新皮質へ入って思考や理性というフィルターを通さず、
直接、人間の記憶や情動を支配している大脳辺縁系へ到達します。

 

これは、何を意味しているのだろうかというと、
野生の動物は、生命に維持に大きく関わる情報を察知するのに、
真っ先に臭覚が働く。

例えば生死に関わる危険が迫っている時には、
目による視覚、耳による聴覚よりも早く、鼻の臭覚がそれを察知。

敵が出現した時や、逆に食料となる獲物が現れた時には、
いち早くニオイを嗅ぎつける事で、
それに対処する行動を取るようになります。

 

臭覚が、原始的、
本能的な部位である大脳辺縁系と直接結びついているのは、
こうした理由があるからなのです。

 

ちなみに、この大脳辺縁系は「嗅脳」とも呼ばれています。

 

香りで人の気分や印象をコントロールする事は可能?

「香りを使って、お客様の購買意欲をかきたてる」
「香りを使って、ブランドイメージを高める」
「香りを使って広告効果を上げる」

 

そうした発想が、今、
ビジネスの世界において様々な形で実現されています。

 

これらは既に世界中の先駆的企業やショップによって試みられています。
世界的な景気低迷が続く中でライバルとの競争を勝ち抜き、
さらなる発展を遂げるには企業はこれまで以上の施策や努力は欠かせません。

その為の新しい強力なツールとなるのが「香り」であり、
香りがビジネスを成功に導く時代が、日本でもすぐそこまで到来しています。

これから新たなマーケティング方法を模索されている方へ、
アルテクスではお気軽にご相談いただける無料相談フォームを
ご用意しておりますので、検討している方はぜひご連絡ください。

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